ドラマにおける看護師のフィクション

看護師や医師にとって医療ドラマはフィクションとして楽しむ側面が強いらしい。

あるあると思えるところもあれば、ひやっとする行為もあるようだ。

有名なのは「医龍」チームドラゴンの勤務体制だ。実際の看護師は2交代制、3交代制の勤務であり、土日も出勤することが多いので平日休みの看護師もいる。

だがチームドラゴンの手術室看護師は休日であろうと電話で呼び出される。

実際の医療現場でも呼び出しはあるが、手術室看護師は出勤している人の中から選ぶのが通常である。

医師でも急な出張や欠勤になれば執刀医が変わる。

病院の都合で休日出勤させれば労働基準法違反、パワハラだと言われてもおかしくない。

また、ドラマでは度々、看護師が医療法違反をしている時がある。

「医龍」では冠動脈バイパス手術にて、グラフト採取を看護師にやらせるシーンがあった。

血管を切って取り出す行為を看護師にやらせるというものだが、グラフト採取は医師でも高い技術を要する。

また「Ns’あおい」では主人公の看護師が胸腔穿刺をするシーンがある。

これは胸の中に溜まってしまった空気を針で刺して抜くという処置だが、肺や血管を損傷するリスクがあるため、医師でも超音波やレントゲンで針の位置を確認しながらやるべきものである。

どちらも一分一秒を争う状況であり、患者の命を優先したのは間違いない。

だが実際の救命で看護師ができることは人工呼吸と心臓マッサージくらいだ。

成功の有無に関わらず、違法行為はフィクションでしか許されないことである。